行政情報

宇宙航空研究開発機構(JAXA)との協定締結

連携協定

本市は富士箱根伊豆観光交流圏の中心に位置し、市民に加えて年間約1400万人の観光交流客が来訪する中、交通利便性の良さから多くの進出企業もあるため、市民・企業・観光交流客の安全安心のため富士山や箱根周辺の地表変動について把握する必要があり、人工衛星から得られるデータを解析して行政利用する意義は非常に大きなものがあります。また、産学官金の連携によりエコガーデンシティ推進協議会を組織し、世界遺産富士山にふさわしい優れた環境と景観のまちづくりを進めています。こうした本市の特性やまちづくりのニーズを鑑み、また、わが国の科学技術開発や宇宙教育普及に寄与するため、JAXAと基本協定を締結し、人工衛星搭載センサーの校正検証作業に協力するとともに、衛星観測データの行政利用について推進するため、連携協力していくこととなりました。これまで宇宙教育等の分野においてJAXAと地方自治体が協定を締結した事例はありますが、人工衛星の校正検証を目的として自治体と協定が締結されるのは全国初です。

協力事項

1.人工衛星(地球観測技術衛星)運用・開発のための校正検証

JAXAは御殿場市から人工衛星に搭載するセンサーの校正検証用のコーナーリフレクター用地を無償で借り受け、現衛星「だいち2号」(ALOS-2)の運用及び次期先進レーダ衛星(ALOS-4)の開発・運用のための校正検証を行います。だいち2号は1日2回、概ね12時頃と24時頃に御殿場市を観測しており、この時が校正検証の主要な機会となります。

「だいち2号」模型

「だいち2号」の模型

「だいち2号」御殿場市初観測画像

「だいち2号」御殿場市初観測画像

2.人工衛星観測データの行政利用促進

本市は人工衛星搭載の合成開口レーダーで観測した地表変動などの解析データについて、JAXAの助言を受けて行政業務に活用し、JAXAに対して意見や参考情報を提供します。

3.宇宙科学技術教育の推進

市民や青少年に対し宇宙や科学技術の素晴らしさを伝える活動等を推進します。

協定の有効期間

現在開発中の先進レーダ衛星ALOS-4(2020年度打ち上げ予定)の運用期間(7年を予定。運用状況により延長の可能性)が終了する1年後

連携協力により本市に期待される効果

1.わが国の先端技術開発への貢献によるシビックプライド

人工衛星搭載センサーであるLバンド合成開口レーダの校正検証に寄与する市となり、市民のシビックプライドの醸成につながる効果が期待されます。

※Lバンド合成開口レーダ(電波の発受信機器)・・・Lバンドは電波の周波数帯の1つで、この帯域を合成開口レーダとして利用しているのは世界でも今のところ日本のみ

2.人工衛星観測データの解析利用による行政推進

富士山と箱根の間に所在し、周辺の地表変動の有無等について常に把握しておく必要があり、市民や観光客・進出企業等の安心材料となります。

3.市民に対する科学教育の促進

先端技術の検証の場に触れ、また講座やイベントなどを通じて、宇宙や科学技術に対する 青少年や市民の理解を増進します。

4.先端技術開発企業などの産業集積

長期的には航空産業をはじめ建設・土木など、様々な関連分野の企業進出を誘発する効果も期待されます。

問い合わせ

未来プロジェクト課
TEL:0550-82-4349