畿内産暗文坏
解説
8世紀初め頃に畿内で焼かれた土師器の坏であり、市内では唯一、中田遺跡で発見されました。
畿内産暗文坏は、律令体制の下で役人が食事に用いる食器として金属製の器を模して作られた器です。内面には暗文と呼ばれる文様が施されていますが、これは金属製の器を上から見たときに見られる光沢を模したものと考えられています。
さらに、地方では畿内産暗文坏を模倣して作った暗文坏が作られます。畿内産暗文坏が出土していることは、当地が律令体制に組み込まれたことを考古遺物からも示しているとともに、古代東海道が通っていたと推定される当地において、中田遺跡が何らかの公的な役目を持っていた場所であった可能性を示しています。