[研究者]阿部正直博士

阿部正直博士(あべまさなお)雲と気流の研究者:理学博士、伯爵

解説

阿部正直博士は、阿部正桓公(備後福山藩最後の藩主)の長男として明治24年(1891)に東京に生まれました。阿部家は、幕末に老中を務めた阿部正弘公など多数の老中を輩出した名門であり、明治時代に入ると華族制度の下で伯爵家に叙せられた家柄です。

阿部正直博士

正直博士は華族としては異色の経歴の持ち主でした。伯爵家の跡継ぎとして学習院での進学、貴族院議員という人生設計を周囲が勧めるなか、一般入試を受けて旧制第八高等学校(現在の名古屋大学)、東京帝国大学理学部と進学し、気象学を修め博士号まで取得し、中央気象台にも嘱託として勤務した経歴も持ちます。

また、昭和初期には、市内新橋(野中)に私設で阿部雲気流研究所、さらに阿部雲気流博物館を構え、富士山周辺の雲と気流の研究に情熱を傾けました。当市では、正直博士のご子孫から寄贈された正直博士ゆかりの資料を多数所蔵しており、富士山樹空の森において一部を公開しています。

阿部雲気流研究所

活動写真(映画)や立体写真の技術を用いた雲と気流の研究は、世界的に見ても先駆的なものでした。没後50年を経た現在、日本国内だけでなくヨーロッパでも高い評価を受けています。

問い合わせ
御殿場市 教育部 社会教育課 
TEL:0550-82-4319
mail:shakyo@city.gotemba.lg.jp
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