特別名勝 富士山(国特別名勝:昭和27年11月22日指定)
解説
名勝とは、優れた景勝地(景色の優れた場所)のことです。富士山は、文化財の観点から、大正13年(1924)に国名勝に仮指定、昭和27年(1952)10月に国名勝に指定された後、同年11月に名勝の中でも特に価値の高いものとして、国特別名勝に指定されました。標高4,000m近い成層火山の独立峰であり、愛鷹山を包み込むように駿河湾まで広く裾野を広げた優美な姿は、古来より多くの人々を魅了した自然の造形美です。
しかし、優美な姿の裏には、幾多の噴火を起こして火山灰や溶岩流を噴出させ、時には山体崩壊を起こして山麓を埋め尽くし、さらに荒れ果てた山体から幾度も泥流を発生させた荒々しい火山の姿が秘められています。御殿場市では、富士山体の市域のうち概ね標高1,900m以上が国特別名勝の指定範囲となっており、山頂火口よりも大きな側火口「宝永火口」や宝永山も市域に含まれています。
富士山絵葉書